チャック・ラッセル監督作「ブロブ/宇宙からの不明物体」("The Blob" : 1988)[DVD]

とある田舎町が宇宙から飛来した正体不明の物体に襲われる惨劇の顛末を描くSFホラー作品。

米国の田舎町アーバービルのある週末。大学生でアメフト部員のポールは、親友スコットに促され、チアリーダー部に所属する意中のメグをデートに誘う。一方、ポールの知人で同世代の不良ブライアンは山道でバイクを故障させ、知人モスが営む修理工場に持ち込む。モスは月曜まで圧雪車やスノーメーカーの修理で大忙しだと伝えるが、ブライアンは週末に工場を手伝う事を条件にラチェットを借りる。

その夜、宇宙から隕石が飛来し、山中の森に墜落する。近くにいたホームレスの老人は衝突現場に訪れ、隕石の亀裂から覗く正体不明の粘性を帯びた物体(ブロブ)を、枝で取り出す。その途端、ブロブは老人の左手に取り付く。

ポールは車でメグを自宅まで迎えに訪れ、連れ出す。メグの弟ケヴィンは親友エディとホラー映画を見に行く許可を母親に求めるが、母親が子供には過激だと許さない為、ケヴィンはエディの家に泊まりに行くと告げ、外出する。

ブライアンが山中でバイクの修理を行っていると、左手に取り付いたブロブを切り落とそうとパニックに陥っている老人と遭遇する。ブライアンは逃げ惑う老人を追って車道へ向かうが、そこにポールとメグが乗った車が通りがかり、車道に飛び出した老人は跳ねられる。ポールは老人を病院に搬送する事にし、事情を説明させる為にブライアンにも同行を命じる。

ポール達は老人を病院に担ぎ込むと、手当を請う。ブライアンは用が済んだのを見計らって病院を後にする。ポールは散々な初デートだとメグに嘆く。程なくして、ポールは処置室に運び込まれた老人の異変を察知し、様子を覗いに向かう。ポールは医者と共に、老人が体の大半を溶解させられ、死んでいるのを目の当たりにする。ポールは警察に連絡し、事情を伝えようとするが、その矢先に天井からブロブが襲いかかる。ポールの叫び声を聞いたメグが駆け付けると、ポールの体は既にブロブに全身を包み込まれて溶解を始めており、その様子を見たメグは気絶する。

ブロブが去った後、病院に警察が駆け付けると、メグは両親に連れられて帰宅する。保安官ハーヴとブリッグスはブライアンの関与を疑う。一方その頃、病院から程近い森の中に止めた車内で、イチャつくスコットと恋人のヴィッキーの元にブロブが現れ、二人を殺す。

メグの母親はポールの死にショックを受けたメグを慮り、睡眠薬を飲んで休む様に促す。メグは怪物の存在を訴えても両親が信じない事に憤り、密かに家を抜け出す。ハーヴとブリッグスは署に連行したブライアンに聴取を行う。ハーヴはブライアンに動機や証拠が無く、不良でも人を殺す様な事はしないとブリッグスに諭し、ブライアンを釈放する。

釈放されたブライアンの元にメグが訪れ、協力を請うと、二人はフランが営む馴染みのダイナーに入る。メグはブロブが人を殺し、成長していると説くが、ブライアンは意に介さず、笑い飛ばす。しかし、メグが憤慨すると、ブライアンは理解を示す。一方、ハーヴは署内で捜査に割く人員の不足を嘆く。ハーヴは深夜にフランと店で落ち合う約束をしていた事を思い出し、フランの身を案じて店に向かう。

フランはキッチンのシンク詰まりに気付いて除去しようと試みるが苦慮し、同僚のジョージがそれを代わる。ジョージは排水口に潜んでいたブロブに襲われ、引きずり込まれて死ぬ。その様子を見たフランの叫び声を聞きつけ、ブライアンとメグが駆けつけると、ブロブは姿を表し、二人を追いかけ始める。二人が冷凍室に逃げ込むと、ブロブは冷気に怯んで退く。フランは店裏の窓を割って脱出し、電話ボックスから通報を試みるが、ボックスをブロブが取り囲み、フランはその中にハーヴの死体を見つける。ブロブはボックスを圧潰し、フランは死ぬ。

ブライアンとメグはブロブが店から消えた事を確認し、脱出する。そこへ牧師ミーカーが通りがかり、ブロブが下水に侵入する様子を目撃する。ミーカーは荒れ果てた店内に立ち入ると、冷凍庫の入口で凍りついて結晶と化したブロブを見つけ、瓶の中に回収する。

ブライアンとメグは保安官に事情を伝える為に警察に赴くが、そこでブライアンがかつて老人と会った場所に、ブリッグスが捜査へ向かった事を知る。二人は現場に訪れ、そこで放置されたパトカーを見つけると、森の中へブリッグスを探しに向かう。程なく、二人は防護服を着た集団に発見される。集団のリーダーであるメドウズは、政府直属の生物研究班による救助隊を自称し、二人を保護する。そこにブリッグスが現れ、救助隊の邪魔をせぬ様に二人に告げて署に戻っていく。

メドウズは宇宙から飛来した隕石が細菌を運んできた可能性を疑っており、防疫態勢を敷いている事を明かす。ブライアンはその見立てが正しいと指摘し、これまでの経緯を伝える。一方その頃、ケヴィンとエディが訪れた映画館にブロブが侵入し、スタッフを襲い始める。

メドウズは町の住人の感染状態を調べる為に隔離する事の理解を求め、二人をバンで護送させる。ブライアンはそれを拒み、メグと共にバイクで戻ろうとするが、隊員らにより強制的に連行される。ブライアンはメドウズを信用しておらず、メグに一緒に逃走する様に勧めるが、メグは町には家族や友人達がいる事を訴え、自分だけが大事なら一人で逃げれば良いと突き放す。ブライアンはメグに反発し、ドアをラチェットで抉じ開けてバンから脱出する。

住民達は、救助隊に保護と称して公会堂に集められる。両親と合流したメグは、ケヴィンがエディと共に映画に行った事を知り、助けに向かう。その頃、映画館の客席にブロブが出現し、客達を襲い始める。メグは逃げ惑う客の中にケヴィンとエディを発見すると、二人を連れてブロブの追跡を躱し、マンホールから下水道へ逃げ込む。

森にバイクを取りに戻ったブライアンは、救助隊が墜落した物体を回収する様子を目撃する。ブライアンはそれがメドウズらにより軌道上に投入された人工物であり、細菌戦争用の実験ウィルスが格納されていた事を知る。メドウズはブロブが意識を持ち、獲物を追う生命体に変異した事に実験の手応えを感じる。隊員がその危険性を訴えると、メドウズは防疫隔離により町の外には出さないと主張し、核以来の強力な武器になるのだと自負する。

メドウズは、ブロブがメグ達を追って下水に侵入したとの一報を受け、ブロブを生け捕りにすべく、メグ達を犠牲にする決断をする。それを聞いたブライアンは町に戻ろうとするが、そこに居合わせた隊員に発見される。ブライアンはバイクで疾駆し、隊員らの猛追を振りきって逃走すると、下水道の出口からメグを探しに向かう。

メドウズは町の中に設置した拠点へ赴き、ブロブ捕獲に向けた作戦に乗り出す。一方、下水道を進むメグ達にブロブが襲いかかり、エディが捕らわれ殺される。メグはケヴィンを地上に通じる出口から逃すも、自身は格子を通り抜けられず、ブログに追いつめられる。そこへ救助隊が駆け付け、ブロブに銃撃を行う。ブロブが救助隊に引き付けられた隙に、メグは他の出口を探しに向かう。そこにブライアンがバイクで駆け付け、メグを救出すると、ブロブを振りきって逃走する。

二人はその先でブロブから逃れてきた隊員と遭遇し、直ぐ傍に出口のマンホールを見つけると、脱出を試みるが、メドウズはマンホールの封鎖を命じる。ブロブの接近を感知したブライアンは、隊員の携行する迫撃砲を放って封鎖を破り、メグと共に地上へ脱出する。ブライアンは隊員から銃を奪うと、メドウズに突きつける。メドウズは集まったブリッグスや住民達に、ブライアンが保菌者であり、感染すると説くと、部下にブライアンを撃つように命じる。ブライアンは墜落したのが細菌戦争の実験用の人工物だと訴え、ブリッグスの説得を試みる。その時、マンホールからブロブの魔手が伸び、メドウズを下水に引きずり込んで殺す。隊員達は下水に向けて総攻撃を仕掛けた後、爆弾を投下してブロブの爆破を試みる。

その直後、巨大に膨れ上がったブロブが地面を破って出現し、住民達に襲いかかる。ブライアンはメグを逃して、モスの修理工場へ向かう。そこに居合わせたミーカーは、ブロブの出現に預言の到来を確信する。隊員の火炎放射がブロブに弾き返され、ミーカーに引火する。メグは冷却剤を放ち、ミーカーを救出する。メグはブロブの冷却剤への反応から、寒さが弱点だと悟り、冷却剤でブロブを退けながら、住民達と共に公会堂へ逃げ込む。

ブライアンは工場のスノーメーカーに乗り込むと、ブロブの元へ急行し、公会堂を覆い尽くさんとするブロブに人工雪を浴びせる。しかし、ブロブの反撃を受け、車体は横転させられ、人工雪のタンクが外れてしまう。ブライアンの窮地を察知したメグは、隊員の銃を放ってブロブの注意をタンクに引き付けると、隊員の携行していた爆弾をタンクにセットして逃げようとするが、足がケーブルに引っかかり身動きが取れなくなる。そこにブライアンが駆け付け、メグを救出すると、二人はタンクから遠ざかる。ブロブが二人に襲いかかろうとしたその時、爆弾が爆発し、タンク内の人工雪が一斉に放出される。ブロブは冷気で凍りついて結晶化し、粉々になる。ブライアンとメグは無事を確かめ合い、モスは粉砕したブロブを夜明け前にトラックで冷凍庫に運び込む手配をする。

しばらくした後、ミーカーは信者に説教を行い、審判の日がすぐそこまで来ていると説くと、瓶に回収したブロブの息を吹き返した姿を眺める。

 

 

これも発掘良品で良い感じのB級っぽさに惹かれて鑑賞してみた。ストーリーは、今でこそありがちといえばありがちなのだが、ブロブという粘性物体の悍ましい程にグロテスクな表現ぶりが痛快で面白い。今の様なCGなんてほとんど無い時代だから、それっぽい実物を色んなスケールで作っては合成させている様だが、この手作り感こそが逆にCGには無い有機的な生々しさを付与しているのだと思う。いかにリアルに見せるかという工夫が感じられて、実に味わい深い。最近だとこういうクリーチャーは専らVFXで創造されてしまうから、味気なかったりするんだよなぁ。対ソ連を意識した生物兵器というのがまたなんとも時代を感じさせる。

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