誰しも、多かれ少なかれ、傷付いたり悲しくなったり、悩んだり考え込んだり、といった苦境を味わった事はあるでしょう。

 

けれど、災難ばかりを経験して、良い事はひとつも起きない人などいません。

おそらく、災難、つまり辛く苦しいことは、今生きている全ての人間に、同じ割合で与えられているのだと思います。

それでは、何故苦しみを乗り越えて進んでいける人、苦しみに囚われて身動きが取れなくなる人、といった「違い」が生じるのでしょうか。

それは、その「災難」をどう捉えるか、その「重み」なのだと思います。

 

「(私or僕)は毎日が辛くて苦しくて仕方が無い」

そう思っている限りは、「幸運」に気付けずに通り過ぎ、「幸福」にも気づくことが出来ません。

 

夕日の美しさ、道端に咲く可愛い花、夜風の気持ち良さ、食事を「美味しい」と思って食べる事、大切な存在が居ること・・・etc.

これらは全て、多くの人が「当たり前」と認識し、その有り難みに気付けずに、忙しい心を胸に、日々を生きているのかもしれません。

 

ところが、もしこれら「当たり前」の物事が、全く無くなるとしたら、どうでしょう。

 

明日からは日が昇る事も、沈む事も永遠に無くなり、大切な存在が目の前から消え失せるとしたら、私達は暗闇の中で、独り日々を生きていかなくてはなりません。

それこそが「不幸」なのだと思います。

そして、その時になって初めて、「恵まれていた自分」に気付かされるのではないでしょうか。


少しでも、「後ろ向きな生き方を止めて、前向きに生きたい」「今の自分を良い方向へと変えたい」そう思う方が、この知恵ノートをご覧になっているとしたら、以下に述べていく「心を軽くする」「楽な気持ちで生きる」為の方法を、ぜひ実践してみて欲しいと思います。

 

 

1:『短所から長所を見出す』

「長所」と「短所」は、いつの時も背中合わせです。

つまり、「自分には短所しかない」と思い込んでいる人は、物事の裏面しか見ていない、ということです。裏を返すと、「長所」を発見することが出来るのかもしれないのに、裏返しすら、諦めているのです。それこそ、「宝の持ち腐れ」と言えるでしょう。

例えば、

「何年レッスンを受けても、バレエが上達しない。周りにもからかわれる。辛い。もう止めたい。私なんか、きっと何をやってもダメなんだ」

と自信を失くし、自分を責めている人がいるとします。

けれど、それは裏を返せば「辛抱強く、忍耐力と継続力がある」という長所がある、ということです。

また、「短気な自分が嫌い」と嘆く人がいるとします。

けれども、それも裏を返せば「決断するのが早い」という立派な長所になります。

 

何故この人達は、この素晴らしい長所に気付けないのでしょうか。

それは、この人は「成果を出す事」に固執し、周りと自分を比べては自信を失くし、プレッシャーから「焦り」が生み出されているからなのかもしれません。

 

このような時には、一度心を落ち着かせ、自分のしている事を、別の視点から眺めてみると良いでしょう。

自分を客観視するのは難しいことですが、自分の行いの結果を客観視する事は、然程難しくはありません。それは、自分自身の心と身体ではないからです。


自分がどう見えるかは、鏡に映して見るしか理解することが出来ません。

哲学的に言うと、それが真の姿かは分からないのです。鏡に映る自分と、自分以外の人の目に映る自分が同じかは誰にも分からないからです。

けれど、行った結果は目で見れなくても、実態として理解することは出来るでしょう。

 

2:『長所を伸ばす』

よく、「短所を治したい」「苦手な事を克服したい」という言葉を耳にしますが、それを成し遂げるには、想像以上の多大な努力が必要とされます。

 

人間の得意・不得意、性格・人格は、児童期の頃にほぼ出来上がります。

それを変える(短所を治す・苦手分野を克服する)ということは、今までの自分から変身するということであり、はっきり言って一苦労です。

けれども、持って生まれたものを、もっと「いいもの」に変えるのは簡単です。

なぜなら、それは既に身に付けているものを、ほんの少し磨いてあげればいいだけだからです。

特に、「特技」なのであれば事は早いです。元々得意なのですから、磨く事に取り組むのに、おそらくはほぼ苦痛を要しませんし、成果も早く表れ易いと思います。

 

ダイヤモンドは、原石のままでは輝きません。しっかりと磨き上げることで、素晴らしく光り輝くのです。

又、ダイヤモンドを「石ころ」と思い込んで磨かなければ、本当に「石ころ」同然です。

 

それと同じで、自分自身を否定し、過小評価をし続けていると、せっかくの「原石」を磨くことも出来ない、もしくは、その存在にすら気付くことが出来ません。

 

人間は皆、必ず「原石」を持って産まれてきます。

 

「私なんか、こんなに醜いし・・・きっと、恋愛も結婚も出来ないんだろうな」

「俺なんか、勉強もスポーツも出来ないから、ダメ人間なんだ」

そう思い込む事は、ダイヤモンドを「石ころ」と思い込んでいるのと同じことです。

 

誰しも、短所を持っています。自分の短所ばかり眺め、自分で自分を否定し続けていると、おそらくほとんどの人が自分自身を、まるで「石ころ」のように思い、落ち込むでしょう。

暗示効果(「自己暗示」=自分で思い込んでいる事が、事実とは関係無く、真実であると思い込む事)が働くからです。

「お前なんかいらない」と言われ続けて育った子供が、自分が存在することに罪悪感を抱いてしまうのも、暗示効果による結果です。

 

マイナスに考えることが癖になっていると、特にその様な状況に陥りやすく、「私なんかor俺なんか」という言葉ばかりが心の中を制覇し、「私だってor俺だって」と、立ち上がることが出来ずに、どんどん落ち込んでいきます。

 

そのような考え方を変えるのは容易いことではないでしょう。けれど、はっきりしているのは、他人には変えられない、ということです。

貴方自身が、自分の力で意識しなければ変わりません。

そして、貴方の心は貴方自身にしか分かりません。その心を持つことが出来るのもまた、貴方自身に他なりません。

嫌な所が見えてきたからと、すぐに落胆するのは止めましょう。

短所を見つけたのなら、悩まずに、今度は自分の長所を探してみるのも、マイナス思考のスパイラルにハマるのを防ぐのに効果的です。

 

もし、短所が10個見つかったのなら、長所を20個、30個、40個・・・思い付く限りあげてみましょう。

さらに、自分の長所を紙に書き出し、自信が無くなる度にその紙を読んでみると、意外な程に、「なんだ、こんなにイイトコあるじゃん。大丈夫、何とかなるよ」と楽観的に物事を眺めることが出来るようになっていくのです。

 

 

3:『先のことを考えるのを止める』

「明日は明日の風が吹く」という言葉の通り、明日何が起きるのかなど、考えた所で分かるはずがありません。明日は、「今日」の段階ではまだ訪れていないからです。また、それは明後日、来週、来月、来年に関しても同様です。

 

このような話を、本で読んだことがあります。

 

エリは、友達に結婚の相談を持ちかけていました。

結婚をするとどんなに大変なのだろうか、子供は産むべきなのだろうか、結婚生活とは幸せなものなのだろうか・・・etc. 結婚生活についての、様々な相談でした。

会話に間が出来た時に、友達はエリに聞きました。

「エリは結婚の予定なんかあるの?」

「プロポーズされてないから・・・まだなの」

「どんな人なの?名前くらい教えてよ」

「・・・・・・・・まだ、恋人もいないの」

 

 

エリは、恋人もいないのに、結婚について本気で悩んでいたのでした。

 

本来なら、「どうやったら、結婚したいと思えるような男性と出遭えるのだろうか」という事について悩むのが現実的なのですが、エリは、あまりにも先のことまで悩んでいたのです。

 

100%起こり得ることは別ですが、「もし、ああなったら・・・」「もし、こんなことになってしまったら・・・」と、起こるかも分からないことまで心配していたら、脳も神経も疲れ果てます。

そのような場合、考えるのを止めるのがベストなのですが、日々このような悩みばかりを考えている人は、もはや「被害妄想の達人」なのです。

 

実際、過労死で亡くなる人は、仕事そのものよりも、仕事に対する不安などの精神的な疲労が原因で死に至る割合が多いそうです。

これでは、「見えない敵に怯えている」のと同じことです。

 

どうすれば不安や恐怖心に駆られずに日々を生きれるのか、私自身が実践し、効果があった方法を述べようと思います。

 

まず、「不安に思う事」を紙に書き出してみるのです。

そして、それを眺めてみます。その時、貴方はどう思うでしょうか。

「何だ、こんなことか」と思えたなら、あなたは心が健康である証拠です。

けれども、もし「やっぱり不安だな。怖いなぁ」と思ったなら、自分自身と、こう約束してみて下さい。

「今日は考えずに過ごして寝て、明日もう1度見てみよう」


もし、次の日になっても不安で仕方ないのでしたら、来週、再来週・・・と延ばしていきます。

すると、いつの間にか忘れていたり、不安だった事が現実に起きたとしても、

「あの時から不安に思う必要はなかったな」

などと思うのです。

「心配事は一晩寝かせる」

最初のこの意識は、難しい事かも知れませんが、非常に大切な意識です。

なぜなら、人は何かを心配に思っている時には、周囲の恵み、チャンス、幸福までをも見過ごしてしまうからです。

 

失望感のどん底に落ちたときには、人は人生を諦めたくなったりもします。それでも、踏ん張って生き抜いた後になれば、大きな失敗や挫折が笑い話に変わったりもするものです。

 

「何事も早まってはいけない」

「先の事を心配した所で、答えなどない」

これらの意識は薬よりもよく効きます。

 

1秒先ですら、何が起きるかは「今」の段階では、誰にも分かりません。先のことを心配する、つまりマイナスな面を想像した所で、現在を生きている貴方が、未来の貴方を助けることは不可能であり、未来が貴方の想像通りなることなどあり得ないのです。

 

最近では、占いが流行しているなどという話を耳にしますが、未来が分かってしまったとしたら、貴方の掌の中から、『希望』という2文字は消え失せます。

誰しも、「今」より後には何が起きるか分からないからこそ、『希望』があるのです。

貴方の生きる道は、貴方自身が切り開くもの。

他人に出来るはずも無く、予測が付いてしまうのなら、生きることに何の意味があるのでしょう。

 

ただ、一つだけジンクスがあります。実際やるかどうかは自分次第ですが、どんな状況であれ、「きっと、最高の笑顔を手にしてやる!」と胸に誓うことです。

 

願い続ければ、きっと得られるでしょう。そう信じ、日々を生きることが出来たなら、マイナスな考えばかりを考える時間は減るでしょう。


そして、自然と笑えるようになる日が、きっと訪れるはずです。 

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